テイクアウトに関する許可と食品表示法における弾力的な運用について

これを書いているのは2020年5月。新型コロナウイルス感染症拡大を受けて飲食店の営業自粛・休業要請を受けて、急遽テイクアウト販売に切り替えている業者さんが増えている時期です。

「テイクアウト販売をしたい、でも許可いるのかな」
「今許可を取っている余裕はない」
等々、迷っている飲食店さんは少なくないと思います。

以下に、飲食店営業許可以外に許可が必要な場合について列挙します。

テイクアウト販売において許可が必要になる場合

*基本的に、飲食店営業許可があれば、「店内で調理したものをそのまま対面販売」するのはOK

「弁当」の販売は基本的に「飲食店営業」の範囲内ではあるが、作り置きして販売する場合には、対面販売であっても営業許可種目の中に「そうざい」「弁当屋」などを新たに追加する必要がある。

焼肉店が生肉を販売する場合は「食肉販売業」「食料品等販売業」、タレを売る場合は「ソース類製造」「調味料等製造業」などの許可が必要になる。

刺身のテイクアウト販売をする場合は魚介類販売業許可が必要になる。(寿司や海鮮丼など、米飯と組み合わせたものはのぞく)

ラーメン店が自家製麺を生麺の状態で販売する場合には原則として「めん類製造業」の許可が必要になり、チャーシューを通販など対面販売以外の状態で販売する場合には「食肉製品製造業」の許可が必要となる。スープや餃子などを冷凍して販売するには、「食品の冷凍または冷蔵業」の許可が必要になる。

アイスクリームをテイクアウト販売するには「アイスクリーム類製造業」の許可が別に必要。

パン・ケーキのテイクアウトには「菓子製造業許可」がいる。

なぜ、飲食業営業許可だけでいけるものとそうでないものがあるかというと、
1.食べるまでに時間を置く場合
2.食中毒を起こしやすい食品なので、特別に配慮がいる場合
の2パターンがあると考えられます。

ですので、「作りおきかどうか」「対面販売かどうか」「扱う食品がどんなものか」が問題になってくるのです。

今現在、各自治体もテイクアウトの後押しをしているところも多く、保健所や自治体のHPにも

【飲食店又は喫茶店の営業者の皆さまへ】
 飲食店や喫茶店の営業者の皆さまから、食品の衛生的な取扱い方法やテイクアウトメニューについての相談が増えています。食品の取扱いは、通常時の食中毒対策の「手洗い」、「低温管理」、「加熱」、「消毒」が徹底されていれば、過度に心配する必要はありません。また、通常時に店内で提供している食品をテイクアウトメニューとして提供する場合には、加熱不十分な食品の提供は極力避けること及び消費者に対して速やかな喫食を促す等により、食中毒予防に努めて下さい。詳しくは、店舗所在地の区役所衛生課まで問い合わせ下さい。

https://www.city.sendai.jp/sekatsuese-shokuhin/kurashi/anzen/ese/oshirase/korona.html(仙台市HPより)

といった記載で、取り締まりについては言及がありません。

非常に曖昧で、この先どうしたらいいのか見えない呼びかけなのですが、行政も、いつまでこうなのか、この先どう変わるのか、等、どう呼びかけていいのかわからないところもあるのではないかと考えます。

食品衛生法における食品表示の弾力的な運用について

4/10に、新型コロナウイルス感染症拡大を受けて、食品衛生法における食品表示の弾力的な運用について、消費者庁から通知が出ていました。
https://www.caa.go.jp/notice/assets/representation_cms214_200410_1.pdf?fbclid=IwAR08e84Z7EBEo7KC46OaAJMkXOaiVctTnM-ikIoV7oft4BNsobpw-l040a8

【要約】法定の

  • アレルゲン
  • 消費期限
  • 食品を安全に食べるために加熱を要するかどうか
  • その他安全性に重要な影響を及ぼす事項

以外については、

容器等に表記された

  • 原材料や産地
  • 栄養成分量などの表示事項

と実際のものに違いがある場合でも、

一般消費者に対して、

  • 店舗内の告知
  • 社告
  • ウェブサイトの掲示

等により、

当該食品の適正な原材料等その他の情報が伝達されている場合は、当分の間、保健所での取締りを行わなくても差し支えない。

とのことです。

早い話が、
【法定の、容器や包装に明示すべき食品表示の内容が、コロナ拡大のため実際のものと違ってしまっていても、店舗やHPなどにその旨わかるように書いてあればお咎めなし】
ということです。

もちろん
「今回の運用は、食品の生産及び流通の円滑化を図るために講じるものであり、消費者を 欺瞞するような悪質な違反に対しては、これまでどおり厳正な取締りを行う。」
ということですので、ごまかす気まんまんの悪質なものは取りしまりの対象になります。

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